骨密度の測定 ~骨折を防ぎ、寝たきりを防ぐ~ コラム2019.12.06

骨折は寝たきりのはじまり

介護が必要となった主な原因の構成割合
厚生労働省の調べによると、「要介護」と認定される原因の約1割は骨折・転倒です。骨折であれば、「治療すれば治る」と思った方もいらっしゃるかもしれません。もちろん、治療で骨折そのものは治るかもしれません。しかし、数週間に渡る入院は、筋肉量や心肺機能、活動意欲、認知機能といったものを低下させてしまいます。そのため、最終的に認知症や寝たきり状態となり、要介護となっていくと言われています。

早めの対策が必要

転倒による骨折を防ぐには、「筋肉と骨」が重要となります。そのため、バランスの取れた食事で栄養を摂取することや適度な運動をすることが必要となります。特に女性の場合、閉経により、骨の中にカルシウムを貯める働きをしているエストロゲンという女性ホルモンの分泌が減少し、骨密度が低下していくと言われています。「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」では以下のような食品が骨粗鬆症の治療時に推奨されています。ぜひ普段の食事に取り入れてみてください。
骨粗鬆症の治療時に推奨される食品例

骨密度・体組成を測る(DXAによる測定)

DXA装置
予防のためにも、まず、ご自身の状態を知ることが大切です。前述のガイドラインでは、骨評価の方法としてDXADual-energy X-ray Absorptiometry)が推奨されています。DXAは2種類の異なるエネルギーのX線を照射して、その透過の程度の違いから「骨」と「軟部組織(筋肉や脂肪)を見分けることで、骨密度・四肢骨格筋量・脂肪量などを測定します。撮影時間は10分弱で、X線による被ばくは胸部レントゲンの約1/6程度で非常に身体への負担が少ない検査で、腰椎や大腿骨付近部を撮影することが多いです。
 当センターの「抗加齢オプション」では、DXAによる腰椎の骨密度および体組成の測定を取り入れております。骨密度は成人(20~44歳)の平均値を基準として、120%や80%などのようにパーセンテージで表されます。いつまでも元気で過ごすため、ご自身の骨や筋肉の状態を知り、がんや血管系疾患などと一緒に予防に努めてみてはいかがでしょうか。
診療放射線技師 (002)