熱中症と筋肉 コラム2023.07.25

熱中症とは?

熱中症の主な症状
急激な温度変化や過酷な高温多湿状態になると体温調整機能が追い付かず、脱水や塩分不足・体温の異常な上昇がおきます。この障害を熱中症と呼びます。
主な症状としてめまいや立ちくらみがあり、重症化すると意識障害をも引き起こし、命に関わります。特に、体温調節機能が低下している高齢者は危険性が高いため注意が必要です。

水分と筋肉

人間の身体は熱中症を防ぐため、発汗することで放熱(熱を逃がす)し、熱中症を防いでいます。この発汗のために必要となるのが体内の水分ですが、高齢者では体内の水分量が減少することが知られています。このため、熱中症リスク上がるのです。
この水分量の減少のポイントになるのが筋肉です。筋肉は約75%が水分でできており、体内に占める細胞内水分の多くを占めます。つまり筋肉量は水分の貯蔵庫として機能しており、筋肉の維持が水分保有量の維持、そして熱中症予防に繋がると考えられています。
成人と高齢者の体内水分量の比較イメージ

筋肉量を維持して熱中症を予防しましょう!

●熱中症による死亡者数と筋肉量の関係
一般的に筋肉は20代がピークで40代から減少が始まり、年に1-2%ずつ減少していきます。グラフを見てみると、筋肉の減少とともに熱中症による死亡者数が増えていくことが分かります。このような関係性から筋肉量の維持が熱中症予防の1つの方法と考えられています。
もちろん、熱中症のリスクが高い暑い日には水分を摂取するということが大切になりますが、日頃から筋肉量の維持も心掛け、熱中症予防をしましょう。特に大きな筋肉のある下半身の筋肉が重要です。(熱中症には十分注意しながら)ウォーキングや筋トレなどで鍛えてみてはいかがでしょうか。
熱中症による死亡者数(年間)と20代からの筋肉量の増減
「厚生労働省 人口動態統計 熱中症による死亡数 令和3年資料」および「日本人筋肉量の加齢による特徴 谷本ら(日老医誌 2010:47:52-57)」より改変
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