糖尿病とがん コラム2021.10.12
糖尿病とがんの関係
糖尿病は臓器や組織へのブドウ糖の取り込みが悪くなり、血液中を流れるブドウ糖が増えてしまう病気です。高血糖の状態が長く続くことで、毛細血管にダメージを与え、糖尿病神経障害・糖尿病網膜症・糖尿病腎症(三大合併症)などを発症し、最悪の場合、手足の壊疽(えそ)や失明、腎不全を引き起こします。また、血管へのダメージから心疾患や脳梗塞が引き起こされることも分かっています。
糖尿病はこのようにさまざまな合併症を引き起こし、死亡リスクを上げる要因となりますが、
糖尿病とがんが相互に関連していることも分かってきています。
「糖尿病と癌に関する委員会報告(日本糖尿病学会・日本癌学会 糖尿病と癌に関する委員会.糖尿病56(6):374-390.2013)」では、糖尿病(主に2型糖尿病)の方は、糖尿病でない人と比べてがんのリスクが20%ほど高いことが報告されています。日本人では特に大腸がん、肝臓がん、膵臓がんのリスクが高いとされています。海外ではその他に、子宮内膜がん、乳がん、膀胱がんなどのリスク上昇と関係があると言われています。
糖尿病はこのようにさまざまな合併症を引き起こし、死亡リスクを上げる要因となりますが、
糖尿病とがんが相互に関連していることも分かってきています。
「糖尿病と癌に関する委員会報告(日本糖尿病学会・日本癌学会 糖尿病と癌に関する委員会.糖尿病56(6):374-390.2013)」では、糖尿病(主に2型糖尿病)の方は、糖尿病でない人と比べてがんのリスクが20%ほど高いことが報告されています。日本人では特に大腸がん、肝臓がん、膵臓がんのリスクが高いとされています。海外ではその他に、子宮内膜がん、乳がん、膀胱がんなどのリスク上昇と関係があると言われています。
糖尿病とがんリスク
糖尿病ががんのリスクになる理由として考えられる要因は、大きく分けて2つあります。
1つ目は“糖尿病によって引き起こされている状態ががんのリスクを高めること”です。
糖尿病では、インスリンの効きが悪い状態(インスリン抵抗性)となり、血中のインスリン濃度が高い状態(高インスリン血症)や高血糖の状態を引き起こします。また糖尿病に伴う肥満によって蓄えられた脂肪組織では慢性的な炎症状態となります。これらのような高インスリン血症・高血糖・炎症はがんのリスクを上げると考えられています。
2つ目は“糖尿病とがんの危険因子が共通していること”です。そのため、該当するリスクを持っている方は、両方のリスクを上げることになるため、糖尿病の方はがんのリスクも高くなっていると考えられます。
1つ目は“糖尿病によって引き起こされている状態ががんのリスクを高めること”です。
糖尿病では、インスリンの効きが悪い状態(インスリン抵抗性)となり、血中のインスリン濃度が高い状態(高インスリン血症)や高血糖の状態を引き起こします。また糖尿病に伴う肥満によって蓄えられた脂肪組織では慢性的な炎症状態となります。これらのような高インスリン血症・高血糖・炎症はがんのリスクを上げると考えられています。
2つ目は“糖尿病とがんの危険因子が共通していること”です。そのため、該当するリスクを持っている方は、両方のリスクを上げることになるため、糖尿病の方はがんのリスクも高くなっていると考えられます。
糖尿病からのがん発生を防ぐには
糖尿病からのがん発生を防ぐには、まず糖尿病を予防することが大切です。先ほどの危険因子を参考に、バランスの良い食事・適度な運動・体重コントロール・禁煙・節酒を心掛けることで、糖尿病はもちろん、がんのリスクを下げる事にも繋がります。
また、糖尿病になったからといってすべての方ががんになるわけではありません。糖尿病になった後に放置せず、主治医のもと適切な治療を行い、インスリンや血糖値をコントロールし、がんのリスクを上げないようにすることがとても重要です。
なお、PETがん検診では血糖値が画像に影響を与えることが分かっていますが、上記のように血糖コントロールをされていれば、問題なくご受診いただけます。糖尿病の予防・治療でがんの発生を防ぎ、がん検診で早期発見を目指しましょう。
また、糖尿病になったからといってすべての方ががんになるわけではありません。糖尿病になった後に放置せず、主治医のもと適切な治療を行い、インスリンや血糖値をコントロールし、がんのリスクを上げないようにすることがとても重要です。
なお、PETがん検診では血糖値が画像に影響を与えることが分かっていますが、上記のように血糖コントロールをされていれば、問題なくご受診いただけます。糖尿病の予防・治療でがんの発生を防ぎ、がん検診で早期発見を目指しましょう。
看護師 (007)