動脈硬化 – 血管系疾患を未然に防ぐ – コラム2019.11.11

動脈硬化とは?

動脈硬化は動脈の加齢現象で、血管の壁が脂肪の沈着等により厚くなったり、高血圧の影響や石灰の沈着などで硬くなったりする現象のことです。結果として血液の通り道が狭くなり血液が流れにくくなったり、弾力性が失われて血管がもろく壊れやすくなります。もともと新品のホースのような動脈が、硬くなってひび割れた古いホースのように変わっていくのです。
このような状態が続くと最終的には心筋梗塞・狭心症・脳卒中・大動脈瘤・大動脈解離などの重篤な疾患(動脈硬化性疾患)を引き起こします。発症前は、痛みなどもないため、動脈硬化の状態を知り、発症の予防に努めることが重要です。
動脈硬化の進行イメージ

リスク因子 – あなたの動脈硬化リスクは? –

動脈硬化は加齢・糖尿病・高血圧・喫煙など、さまざまな原因が重なって進みます。特に中高年以降は病気になる確率も高くなり、動脈硬化の危険性がより高まると言われています。
以下の10項目は動脈硬化を引き起こす危険因子です。40歳以上で思い当たるものが1つでもある場合は、血管の状態を検査してみてはいかがでしょうか。
動脈硬化チェックリスト

血管の状態を知る検査 – ABI・PWV検査のご紹介 -

血圧・脈波検査
血管の状態を検査する方法は色々あり、当センターでも超音波検査やCT検査、MR検査等で血管の形をみる検査を行っておりますが、7月よりスタートした抗加齢オプションでは、血管の機能をみる検査としてABI・PWV検査を新たに追加しました。これらの検査は、ベッドに仰向けになり両上腕と両足首に血圧測定用のカフを巻き、4か所の血圧を同時に測定します。これにより上腕と足首の血圧比(ABI)や上腕から足首に脈が伝わる速度(PWV)を測定し、血管の詰まり具合や硬さを数値として知ることができます。
[ABIとは]
足関節収縮期血圧/上腕収縮期血圧(左右どちらか高い方の値)を計算します。寝た状態で血圧測定をすると、狭窄の無い方は上腕よりも足首の血圧の方が少し高くなりますが、下肢の動脈が細くなったり、詰まったりしていると血圧が低下します。そのためこの数値から動脈狭窄の程度が分かります。
[PWVとは]
脈(拍動)が上腕から足首に伝わる速度(脈波伝播速度)を測定する事により、血管の硬さの程度が分かります。その計測値をbaPWVと呼びます。動脈硬化が進んだ硬い血管では脈が速く伝わり数値が高くなるため、脳や心血管病の発症リスクが高いと言えます。
看護師 (002)